老犬の夜泣きは一緒に寝ると改善する?効果と注意点を解説!

愛犬の夜泣きで眠れない夜が続いていませんか?

深夜に響く鳴き声に心を痛めながら、「一緒に寝たら落ち着くかもしれない」と考えている飼い主さんも多いはずです。

この記事では、海外の研究結果をもとに、老犬の夜泣きに対する一緒に寝ることの効果を解説します。

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【結論】老犬の夜泣きは一緒に寝ることで改善する可能性あり

結論から言えば、老犬の夜泣きに対する飼い主と一緒に寝ることは、原因によっては効果的な対策となります。

特に分離不安が原因の場合は効果的

分離不安が原因の場合、特に効果的です。King, Simpson, Overall等が2000年に行った研究では、夜間の鳴き声を対象とした治療で85%の犬に改善が見られました。

参考:King, Simpson, Overall等の研究

認知症による夜間の混乱や不安についても、犬への対応として飼い主の存在が重要であることが指摘されています。

ただし、認知症の犬に対する一緒に寝ることの効果を直接検証した研究は見つかりませんでした。あくまで経験に基づく報告であり、すべての犬に同じ効果があるとは限りません。個々の犬の状態や性格によって、効果の程度は異なることを理解しておくことが大切です。

夜泣きが始まったら、まずは獣医師に相談が絶対です。病気や痛みが原因の場合は、まずはそれらを治療することが大切です。

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なぜ一緒に寝ると効果があるのか

科学的な観点から見ると、飼い主と一緒に寝ることが効果的な理由が明らかになっています。

ストレスホルモンの変化

飼い主の存在により犬のコルチゾール(ストレスホルモン)レベルが減少することが確認されています。これは犬が飼い主の近くにいることで、生理的にリラックスできることを示しています。

また、愛着関係を持つ犬は、そうでない犬と比較して優れた睡眠質スコアを示すようです。つまり、日頃から良好な関係を築いている飼い主と犬の組み合わせほど、一緒に寝ることの効果が高いということになります。

特に分離不安が原因の場合、飼い主の存在が直接的に不安を和らげるため、即効性が期待できます。夜中に飼い主がいないことへの不安から鳴いている犬にとって、飼い主が近くにいることで、ひとまず安心して眠れるようになるでしょう。

ただし、これはあくまで対症療法的な対応です。分離不安は犬の生活の質に大きく影響する問題であり、日中の留守番なども困難にするため、並行して根本的な治療を進めることが重要です。

分離不安の場合、獣医師や動物行動療法士と相談しながら、行動療法を取り入れることで、犬がより自立して安心できるようになることを目指しましょう。

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一緒に寝る際の注意点

Mayo Clinicが2017年に発表した研究によると、下記の結果が出ています。

研究結果

  • 犬が寝室にいる場合:人間の睡眠効率は81%と良好
  • 犬がベッド上にいる場合:有意に睡眠効率が低下

参考:Mayo Clinicの研究

睡眠効率とは?

睡眠効率 = 実際に眠っていた時間 ÷ ベッドにいた時間 × 100

つまり、理想的なのは「同室だけど別々のベッド」という配置です。

また、すべての夜泣きに効果的というわけではありません。痛みが原因の場合は、まず適切な痛み止めの投与が必要ですし、内科疾患が原因の場合は、その治療が優先されます。

犬と人間、両方のQOL(生活の質)を考えて検討することが大切です。

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今夜から試せる実践方法

まず最初のステップは、安全な環境づくりです。老犬は若い頃と比べて身体能力が低下しているため、転落などの事故を防ぐ工夫が必要です。

犬用のベッドを飼い主のベッドの横、もしくは飼い主のベットの上に設置し、必要に応じてベッドガードや滑り止めマットを用意しましょう。

下記のように、段階的に慣らすこともおすすめです。急に環境を変えると、かえって不安を増大させる可能性があります。

  1. 最初の3日間:犬用ベッドを寝室のドアの近くに置き、徐々に飼い主のベッドに近づけていく。
  2. 4日目以降:犬の様子を見ながら、さらに近い位置に移動させる。

効果はどのくらいで現れる?

症状が改善するまでの期間は、夜泣きの原因や犬の性格、これまでの生活環境などによって異なります。焦らず、愛犬のペースに合わせて進めることが成功の鍵となります。

効果がない時は?

2週間試しても改善が見られない、夜泣きがかえってひどくなった、日中も不安が強くなったという場合は、別のアプローチが必要かもしれません。

まとめ

老犬の夜泣きに悩む飼い主にとって、一緒に寝ることは今夜から始められる対策の一つです。

犬と一緒に寝ることには賛否両論があります。しかし、愛犬が安心して眠れるようになり、結果として飼い主もぐっすり眠れるようになるのであれば、それは犬と飼い主の両方にとって良いことではないでしょうか。

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重要なのは、科学的な知見を踏まえつつ、個々の状況に合わせて柔軟に対応することです。

老犬との暮らしは、若い頃とは違った課題があります。でも、適切な対策を講じることで、お互いに穏やかな夜を過ごす方法が見つかるかもしれません。

完璧を求めず、愛犬と飼い主が快適に過ごせる方法を見つけていきましょう。