老犬の夜泣きに耐えられない…ノイローゼになる前に知っておくべき対策

愛犬の夜泣きが毎晩続いて「もう耐えられない」と感じていませんか?

夜中に響く何かを訴えるような鳴き声。睡眠不足でフラフラになりながらも、愛犬のそばに駆け寄る毎日。近所への迷惑も心配で、気持ちが追い詰められるのは当然のことです。

「こんなにイライラしてしまう自分は、ダメな飼い主なのでは…」

そんな罪悪感を抱いているあなたに、まず伝えたいことがあります。その気持ちは決して異常ではありません。多くの飼い主が同じ悩みを抱えています。

この記事では、ノイローゼになる前に知っておくべき心のケア方法と具体的な対策をお伝えします。あなたと愛犬が少しでも穏やかに過ごせるよう、今日からできることを一緒に考えていきましょう。

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【超重要】老犬の夜泣きに1人で悩まない!

うちの犬(コ)が認知症になりましてという書籍で、下記のようなエピソードが紹介されています。

書籍からの引用(要約済み)

認知症の老犬の夜泣きで睡眠不足が続いた高齢女性が、一人で介護を抱え込んで追い詰められ、「安楽死をさせようと思う」と相談してきました。

数日間愛犬を預かって、女性が十分な休息を取ったところ、考えが変わり「この子の最期まで一緒にいます」と言うようになりました。その後、愛犬は飼い主の腕の中で安らかに息を引き取ることができました。

人は窮地に陥ると正常な判断を失います。しかし、少しでも介護から離れて休息を取ることで、冷静な判断を取り戻すことができるのです。

このエピソードが示すように、睡眠不足やストレスで正常な判断ができなくなることは、誰にでも起こりうることです。決して恥ずかしいことではありませんし、あなたが弱いわけでもありません。

実際に、この書籍の著者である今西乃子さん自身も、老犬の介護で鬱状態になった経験があると書かれています。

どんなに犬を愛している人でも、介護の負担で心身を壊してしまうことがあるのです。

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だからこそ、時には周りの人に頼ることが大切です。家族、友人、獣医師、ペットシッター。あなたを支えてくれる人は必ずいます。

自分自身を大切にすることは、愛犬にとっても重要なことです。完璧な飼い主である必要はありません。まずは一人で抱え込まずに、誰かに相談することから始めてみてください。

飼い主がノイローゼにならないための心得え

完璧主義を手放す

多くの飼い主が陥りがちなのが「良い飼い主でなければならない」という思い込みです。24時間愛犬に付きっきりでいることが愛情の証だと考えてしまうのです。

しかし、これは大きな間違いです。

良い飼い主とは、愛犬と自分の両方の幸せを考えられる人のことです。時には自分の休息を優先することも必要ですし、それは決して愛情不足を意味するものではありません。

重要なのは、愛犬と飼い主の生活の質のバランスを取ることです。どちらか一方が犠牲になるような状況は、長続きしません。

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夜泣きを完全に止めることは、現実的でない場合が多いです。認知症が原因の場合、「治す」ことは困難だからです。だからこそ、夜泣きの「軽減」や「管理」を目標に設定しましょう。

  • 今日は少し鳴く時間が短かった
  • 時間続けて眠れた

そんな小さな改善も、立派な進歩です。自分一人でできる範囲を明確にして、それ以上は他の人に助けを求める。これが健全なスタンスなのです。

睡眠の質を確保する工夫

睡眠不足は飼い主の心身に深刻な影響を与えます。イライラが増し、判断力が低下し、免疫力も落ちてしまいます。だからこそ、睡眠の質を確保することは最優先事項です。

防音ケージの活用

防音ケージで、完全に音を遮断することはできませんが、-30dB程度の防音効果が期待できます。

-30dBの防音効果はどれくらい?

騒々しい電車のガード下(90dB)の音が、一般的な会話レベル(60dB)程度になるイメージです。多くの方が、体感で『かなり静かになった』と感じられています。

高額な商品が多いですが、自分の睡眠確保や近隣からの迷惑を軽減するためには、検討の価値があります。下記の記事も参考にしてみてください。

耳栓とノイズキャンセリング

高性能な耳栓は、夜間の睡眠確保に効果的です。完全に音を遮断するのではなく、緊急時には気づけるレベルで音量を下げることができます。

例えば、LOOP Quietという商品は、-27dBほどの遮音効果があります。YouTubeに検証動画もあるので、検索してみてください。

仮眠の上手な取り方

夜間の睡眠が分断される分、昼間の仮眠が重要になります。愛犬が静かな時間帯を見つけて、仮眠を取りましょう。

短時間でも質の良い仮眠を取ることで、体力の回復の向上が期待できます。

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家族との協力体制

もし家族がいるなら、夜泣き対応を交代制にすることを検討してください。毎晩同じ人が対応する必要はありません。

例えば、平日は家族が、週末は自分が対応するなど、お互いの負担を分散させましょう。一人がすべてを背負う必要はないのです。

時にはサプリや薬に頼る

  • 薬に頼るのは可哀想…
  • 副作用が怖い…

そんな気持ちを持つ飼い主は多いでしょう。その気持ちは理解できますが、時にはサプリや薬に頼ることも必要です。

自分が体調を崩してしまったら、愛犬の世話ができなくなってしまいます。だからこそ、獣医師に相談の上で薬に頼る日があっても良いのです。

サプリメントの活用

犬用のサプリメントは、多くの種類が販売されています。効果が出るまでに時間がかかるものも多いですが、副作用のリスクが低いのが特徴です。

獣医師と相談しながら、愛犬に適したサプリメントを選んでください。効果を実感するまでには数ヶ月かかることもあるので、根気強く続けることが大切です。

前述した、うちの犬(コ)が認知症になりましてでは、サプリで夜泣きが軽減した例が紹介されています。

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薬物療法の検討

重度の夜泣きの場合、獣医師から睡眠導入剤や安定剤が処方されることがあります。これらの薬は、適切に使用すれば愛犬の生活の質を向上させることができます。

獣医師に効果や副作用について詳しく説明してもらい、納得した上で使用することが大切です。

また、飼い主自身のストレス軽減についても、遠慮なく医師に相談してください。あなたの健康も、愛犬の幸せにつながるのです。

他人に頼る

一人ですべてを抱え込む必要はありません。周りの人に助けを求めることは、決して恥ずかしいことではないのです。

老犬介護ホーム・ペットホテルの活用

週に1〜2回でも、安心して眠れる夜があるだけで、心身の回復につながります。精神的にきつい場合は、老犬介護ホームやペットホテルを活用することも検討してみてください。

家族や友人のサポート

近しい人に現在の状況を正直に話してみてください。多くの人は、あなたが思っている以上に理解を示してくれるはずです。

短時間でも見守りをお願いしたり、買い物を代わりにしてもらったり。小さなサポートでも、大きな助けになります。

精神的な支えとしての役割も重要です。話を聞いてもらうだけでも、心の負担は軽くなるものです。

近所迷惑への対処と心構え

近所迷惑への心配は、多くの飼い主にとって大きなストレス要因です。この不安を軽減するためには、事前の対策とコミュニケーションが重要になります。

事前のコミュニケーション

タイミングが重要

近隣への説明は、初期段階で行うのが理想的です。問題が深刻化してからでは、相手の心証も悪くなってしまいます。

手紙での丁寧な説明と、直接の挨拶を組み合わせるのが効果的です。文章だけでは冷たい印象を与えがちですし、口頭だけでは相手が忘れてしまう可能性があります。

説明内容のポイント

老犬の介護状況と、現在行っている対策を具体的に伝えましょう。「何もしていない」のではなく、「努力している」ことを理解してもらうのです。

例えば...

「13歳の愛犬が認知症を患い、夜泣きが始まりました。現在、防音対策と薬物療法を行っており、獣医師と連携して改善に努めています」といった具合です。

継続的な関係づくり

一度説明したら終わりではありません。必要であれば、定期的に状況を報告し、対策の進捗を伝えることで、理解を得やすくなります。

迷惑をかけていることへの素直な謝罪の気持ちを忘れずに、改善に向けた継続的な努力をアピールしてください。

心遣いを形で示す

季節の挨拶と合わせて、ちょっとした贈り物をするのも効果的です。高価である必要はありません。気持ちが伝わることが大切なのです。

和菓子の詰め合わせや、季節の果物など、相手が気を遣わない程度のものを選びましょう。

具体的な防音対策

できる限りの防音対策を講じることも重要です。

防音のポイント

防音カーテンや防音シートといった手軽なグッズは、実際に使ってみると分かりますが、ほぼ効果がありません。本格的な防音を求めるなら、防音室の設置や防音ケージが必要になりますが、これらは数十万円単位のコストがかかります。

大きな投資になるので、根本的な解決策と組み合わせて、検討しましょう。

あなたは十分頑張っています

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。様々な対策をお伝えしましたが、すべてを一度に実践する必要はありません。

まず覚えておいてほしいのは、耐えられないと感じることは正常な反応だということです。あなたの感情は間違っていません。

一人で抱え込む必要もありません。利用できるサポートや相談先があることを知ってください。完璧でなくても、あなたは愛情ある飼い主です。

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